2006年12月23日

HERO'Sライトヘビー級トーナメントでは、チャンピオンの秋山成勲に不覚をとった永田克彦。レスリング銀メダリストのプライドを取り戻すべく、昨…

HERO'Sライトヘビー級トーナメントでは、チャンピオンの秋山成勲に不覚をとった永田克彦。レスリング銀メダリストのプライドを取り戻すべく、昨年に続き、今年も『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』(12月31日、京セラドーム大阪)への出場を決めた。今回の勝村周一朗戦では、過酷な減量が待っているが、本人は自信を持っているようだ。

やっぱり総合は蹴りでしょう

——前回の秋山成勲戦以降、どういった練習をされてきたのでしょうか。

永田

前回の5月3日に、ああいった形でKOされてから(バックキックでKO負け)、打撃、寝技を一から勉強してきました。総合格闘家として必要なものを吸収してきたというか、確実にレベルアップしていると思います。

——秋山戦を振り返ってみて、敗因を含めて何があったのでしょうか。

秋山選手の方が、総合格闘家としての技術を取り入れて順応していたということです。単純に向こうの力が上だったなとも思います。僕がレスリングに頼りすぎていた部分もあったし、そこで相手が一枚も二枚も上手だったということです。

——その試合から、どれくらいのレベルアップをしたのでしょうか。

比べ物にならないですね。何年も総合格闘技のキャリアがあるとしたら、そんなには変わらないと思います。でも、僕はまだまだ始めたばかりというか、何年もやっていないですから。吸収することばかりなので、比べ物にはならないくらい進歩しています。

——重点的に練習してきた部分は。

打撃ですね、打撃。やはり後ろ蹴りをもらったということもありますし、打撃で追い込まれたというのもありますから。総合での打撃は基本だと思うんです。打撃あっての関節技、タックルだと思うんですよね。それには、まず打撃を見に付けないと。もともと、やってはいたんですけど、もっと技術なりスパーリングなりを行って進化してきたとは思っています。

——具体的にはどこで練習を?

最初はボクシングジムでやっていたんですけど、蹴りでKOされたんでキックも学ぼうと考えて…蹴りって嫌いだったんですよ。蹴るのも苦手ですし、サッカーとかもあまりやったことないですから。もちろん打撃もやったことないですしね。レスリング時代もグレコローマンスタイルなので、上半身ばかりを使っていて、足を使うことがなかったわけですから。キックを練習しないといけないと思って、伊原道場に半年ほど行っていました。

——蹴りはどうですか。

蹴りは蹴るときに一本足になるので、失敗したら大きな隙になりますけど、当たれば大きな破壊力を秘めていますよね。どこまで試合で出せるか分からないですけど、蹴りから身を守るという面でもすごくよかったです。

——ディフェンスの面ではどうですか。

だいぶローキックとかは見えるようになってきましたね。前はパンチだけ見て、蹴りが見えていなかったこともあったんですけど、様々な種類の蹴りがスパーリングを重ねるごとによって見えてきました。前蹴りや後ろ回し蹴りなどの種類が。

試合後は悔しくて悔しくて…

——敗戦からモチベーションが上がったということですか。

上がったどころか、悔しくて悔しくて。次こそはオリンピックでメダルを獲った選手はすごいんだ、というのを見せ付けなくてはいけませんからね。僕が出るからには絶対にレスリングという目で見られるし、すごいところを見せたいので必死に練習しました。この世界でやっていこうと決めたんで、中途半端な気持ちではやっていない。

——対戦相手は勝村周一朗選手です。

この前、たまたま格闘技の番組を見ていたら出ていたんです。それまでは、名前くらいしか聞いたことはありませんでした。いろいろと聞いて研究はしています。最初のイメージとしては、養護施設で働いていて、子供たちにレスリングを教えていると知って。その気持ちはすごく分かるんですよ。僕も子供たちにレスリングを教えていて、気持ちが分かるから頑張ってほしいなと思っていたんで、まさか試合をすることになるとは(笑)。最初は複雑というかビックリしましたね。

——所英男選手のライバルと言われている選手です。試合内容はどう想像していますか。

僕と身長は同じくらいなんですかね? 体重は向こうの方が軽いと思うんで、スピードはあるでしょうね。それを上回るパワーと圧力で、圧倒的に勝ちたいという気持ちです。

——秋山選手の次に勝村選手となると、階級に大きな差がありますが。

なんか無差別でやっている感じですよね。それはプロならではじゃないですかね。

——体重の幅はどれくらいの変動が可能なのでしょうか。

レスリングのときから8〜9kgは減量していますから。今は76kgくらいで、秋山選手と闘ったときには80kgくらいでした。ここ何年かはずっと76〜81、82kgくらいの間なんです。最初、レスリングでは69kg級でやっていて、そのあと76kg級に行ったので、減量は得意ですね。

——絞れば絞っただけ実力を発揮できるのですか。

ポテンシャルは発揮できると思います。70kgと85kg級なら間違いなく70kg級だと思うんですけどね。

——85kgはちょっと厳しいですか。

もともと分かっていたことなんですけど、厳しいです。パワーが違いました。最初は無差別で闘いたいという気持ちだったんで、秋山選手と試合をしたんですけどね。

『Dynamite!!』はプロの五輪

——なぜ無差別級で闘いたいと思ったのですか。

レスリングのアマチュア時代にずっとこの階級でやってきて、プロで体重に関係なく強い選手と闘いたい、という思いがあったんです。無差別でやるというか、あんまり気にしてはいなかったんですね。

——曙選手が相手でも?

いや、どうですかね…。キャリアを積んでいけばそれくらいの幅があってもできるとは思うんですけど、まだキャリアが足りませんから。まだ難しいと思います(笑)。今は無差別でやろうとかは考えていなくて、とりあえず経験を積みたいと思っています。

——無差別で闘えるようになれば、すごいですね。

将来的には、そうなったらいいですけどね。今は一戦一戦、経験を積んで。以前は無差別を考えていたんですけど、まだ経験が足りない、そんなに甘くないというのがあります。もっと技術を身に付けて将来的にはやりたいな、とは考えています。

——『Dynamite!!』という大会に関してはどういった思いがありますか。

昨年のデビュー戦もやらせてもらいましたし、最大のイベントなんで僕にとってはプロの世界のオリンピックという感じです。

——来年に向けて、という目標も出てくると思います。

試合内容と圧倒的な勝ち方をして、来年のHERO'Sにつなげたいとは思います。

KO負けしたシーンが流されるのが悔しい

——出場するとすればミドル級、ライトヘビー級のどちらですか。

出るならミドル級でしょうね。すごい選手がいっぱいいるので面白くなると思いますよ。でも、そこまでは考えていなかったですね。

——今回の試合が試金石になると思います。

そういう意味で来年につなげられるかどうか、という闘いになると思います。今までの練習をブチまけたいですね。

——負けから這い上がってくる姿をファンは見たいと思います。

ずっと悔しい思いは忘れていないんで、絶対このままじゃ終わらない、という気持ちをもって練習してきましたからね。それが原動力になっています。

——秋山選手の優勝に関してはいかがですか。

強いなと思います。勝負強いと感じますね。

——複雑な気持ちですか。

優勝したことによって僕がKO負けしたシーンがいっぱいテレビで流れるんで悔しい(笑)。優勝したことに関しては単純にすごい、としか思わないですけど、映像を見るとより一層、悔しい気持ちが湧いてきますね。

——目標は秋山選手になるのですか。

階級は、もうぶっちゃけ70kgでやろうと思っています。自分がやってきた階級なんで、そこで一番になりたいです。

——そうなると山本“KID”徳郁選手との対戦も浮上しますが。

今はレスリングを頑張ってほしいな、とも思いますね。KID選手がレスリングをやることでレスリング界はすごく盛り上がると思いますから。

——KID選手だけではなく、ミドル級にはすごい選手が大勢います。

そうですよね、J.Z.カルバン選手とかもすごいですから。僕も69kg以下でレスリングをやってきたんで、適正体重で試合をしたいな、というのがあります。自分の持っているポテンシャルを発揮したいです。

——今はワクワクしている状態ですか。

ワクワクしていますし、面白いことをしたいっていう気持ちです。フィジカルでは負けていない自信がありますから。■

『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』対戦カード

過酷な減量をして勝村戦に臨む永田。本人は、減量苦は慣れているという

永田は、「KO負けのシーンが流れて悔しい」と秋山戦を振り返って笑った

正反対と思われた勝村との共通点は、どちらもチビッコたちに人気の先生ということ

永田がミドル級に食い込んでくれば、なお激戦区になるのは間違いない

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