2007年12月10日

「菊田選手からメールがきました」

「菊田選手からメールがきました」

──先程、GRABAKAの菊田早苗選手と三崎和雄選手にお話を伺ったんですが(菊田選手&三崎選手のコメントは近日更新!)、お二人とも「船木選手は7年間のブランクを感じさせない」っておっしゃるんですね。

船木

多分、それは自分がずっと格闘技を観ていたっていうのと、筋肉を鍛えるトレーニングはずっとやっていたこと。あとは、2年前から柴田(勝頼)と格闘技のトレーニングを始めたということが良かったんだと思うんですね。その3つがちょうどうまく重なって、カラダが動けるんだと思います。

──そして「技術も進化している」とも。

やっぱり基本的な動きができますので、カラダの中で今の総合の技術がイメージできるんですよ。ある一つの新しい技を見て、「こんな感じかな?」って脳とカラダを交差させてそれを実戦の時にやってみると、できているんですね。それはやっぱり進化する前の技を知っているからだと思います。知っているから、総合の技術が進化していても、頭の中とカラダの神経を一致させてできるんだと思うんです。

──ベースがあるからですね。

ええ、ベースですね。単純にそれだと思います。

──単純に、この7年間、ファンと同じ目線で格闘技を観ていたらそうはならないですよね。

やっぱり元・格闘技選手なので、「ああ、今こういうふうに新しい技が出ているんだ」っていうふうに毎回観ていましたね。もちろんそういう機会があれば「ちょっと使ってみたいな」とか。いつ来るか分からないけれど、復帰とかという意味ではなくて、なんかそういう練習とか機会があれば、っていうふうに思っていました。

──GRABAKAのほうには9月頃から練習に来ているとのことですが、ここで練習をしようと思ったのはなぜですか?

ちょうど柴田と桜庭選手がやる前ぐらいに、自分が復帰するというのを聞いた菊田選手から「もしよかったら練習に来ませんか?」ってメールがきまして。「ぜひ」ということで。

──船木選手はどちらかというと、あまり出稽古が好きなタイプではないですよね。

いや、出稽古しないと、自分の道場はなくなっちゃいましたからね(笑)。パンクラスという団体にいた時は、そこに行けば仲間がいて選手がいて普通にスパーリングパートナーもいっぱいいたんですけども、それがもうないですから。やっぱりここ(GRABAKA)に来れば選手がたくさんいますので。それで、やっぱりみんな強いんですね。一人としてムダな人がいないっていうか。

──GRABAKAには週何回のペースで練習しているんですか?

週2回から3回ですね。

──練習メニューは?

みんなとスタンドから始まって、グラウンドをやってっていう。8分を5ラウンドですね。

──もっぱらスパーリングですね。1ラウンドが8分って少し長いですね。

そこは他のジムと違うところですね。だいたい、5分でやっているところがほとんどだと思います。

──打撃の練習は?

打撃は、こことは別にボクシングのジムに行っています。

「強い選手が下の世代にいる。ただ……」

──試合まであと1カ月を切ったわけですが、コンディションはいかがですか?

ちょうど11月の中頃に風邪を引いて、5日間ちょっと寝込んでいましたね。11月の終わり頃から徐々にコンディションを整えていますけど。

──5日間、何もできなかったことで動揺はなかったですか?

単純に「試合前日じゃなくてよかったな」っていうだけですね。やっぱり年齢もありますんで、疲労が溜まっていたというだけだと思います。インフルエンザの予防接種はちゃんと受けていたんで、それでも引いたってことは免疫力が低下していたんだと思います。

──これから強化したいと思うのはどの部分ですか?

ここまで、打撃は打撃、組み技は組み技って別個にやってましたんで、打撃と組み技の部分をいろいろと結合させていきたいですね。総合という部分でうまく結合させて、試合に備えたいなと思います。スタミナの使い方も総合、打撃だけ、組み技だけは違いますんで、これからやることも多くなりますね。

──菊田選手達と“桜庭対策”というのはやっているんですか?

そうですね。最初の頃はちょっとだけありましたけど、最近はあまりやってないですね。よく一緒に練習をしているのは、福田(力)選手なんですよ。27歳と若いし、アマレス出身なんで、彼と一番多くやっていますね。もう現役バリバリですから。

──福田選手は桜庭選手と同じレスリング出身で、タックルもうまい選手ですね。

10年前、自分がちょうどバス・ルッテンとやっていた頃の選手ですからね。疲れ知らず(笑)。なんかそういう意味では、若い人に稽古をつけてもらっているっていう感覚があります。だから、以前は若い選手を鍛え、育てる立場だったんですけども、この7年ですっかり逆転して(笑)、若い選手に稽古をつけてもらっています。

──その感覚も凄い進化ぶりですね。

そうですね(笑)。でも、逆にそうじゃなかったらダメじゃないかなっていうのがありますね。7年休んでいきなり戻ってきて、全然自分が強過ぎていたら「若い選手は何やっているんだ?」っていう話ですから。そういう意味では強い選手が下の世代にいてくれて良かったです。

──「嬉しい」っていう感じですか?

嬉しいですね、それは。ただ、そのような選手達が大晦日のメインとかに来てないっていうのがちょっと残念ですね。

──やっぱりプロですから、強さだけじゃない部分も問われますからね。

その部分なんですよね。だから、今の時代、特に難しいと思うんですけども、強い選手も多くなっていますし、自分達の時はパイオニア的な部分がありましたんで、注目度も高かったですから。そういう意味では、今、スターになるっていうのは本当にもの凄く難しい時代だなと思います。だけど、それをやった人は本当に不動のスターになれると思いますね。

「多分、楽しんでいるんじゃないですかね」

──ところで、今日初めて練習を見させていただいて、非常に若々しい印象を受けました。

若々しいですか(笑)。どういうふうに?

──いやぁ、なんとなく「船木青年」みたいな感じで(笑)。

もう38(歳)ですよ?(笑)。多分、楽しんでいるんじゃないですかね。「闘っている」っていうか、カラダを動かしている時が一番好きだと思うんで。一番気持ちのいい部分を見たんじゃないですか。

──それでふと思い出したのが、船木選手がプロフェッショナルレスリング藤原組を離脱して、1993年9月にパンクラスを立ち上げた時のことなんです。あの時も藤原組離脱から旗揚げまでの期間、大々的な肉体改造を行って、試合当日まで凄いベールに包まれていたじゃないですか。今回はあの時の比じゃないくらい、船木選手がどうなっちゃっているのか謎なんですよ(笑)。

そうですね。自分の中ではなんか、「7年休んでいた」っていう感覚が正直ないんですよ。ずっと格闘技を観てましたんで。「ずっと観察をしていた7年間だったな」っていう気がするんです。だから、逆にこうやってこの7年、現役でやってきた人達と接すると、その人達がけっこう歳を取っているんで(笑)、なんか浦島太郎みたいな感覚ですね。みんなそれなりに歳取って貫禄がついている選手もいるし、シワが増えている選手もいるんで、そういう意味では、選手や関係者と会うと「ああ、7年経ったんだな」っていう気がします。

──桜庭選手ともほとんど年齢が変わらないわけですけど、やっぱり桜庭選手も若い印象がありますよね。

そうですね、はい。

──今年に入ってからの桜庭選手は特に船木選手と一緒で、一ファイターとして充実している感じがします。

そうですね。明らかに去年は“移籍”ということで、心も相当疲れていたんだと思うんです。その中で試合をしていたんで桜庭選手らしさというものがなかったと思うんです。今年に入ってようやく一段落してシュートボクセとかでも楽しんでトレーニングができて、もう一段レベルアップしているような気がしますね。

──そういう意味では、ここで両者が闘うっていうのはタイミングとしてはバッチリですね。

二人とも古いんですけどね(笑)。古いんですけど、それぞれがイキのいい時期っていうか。

「『これで勝とう』っていうのは全然決めてない」

──桜庭選手の映像はご覧になっていますか?

あまり集中して観ないようにはしています。だいたい、本当に掴まっちゃったらなかなか抜けられないと思いますんで。そのへんは分かっていますから。ここの道場で押さえ込みをされたりしながら、「桜庭選手のパターンはこんな感じなんだろうな」と思いながらトレーニングをしていますね。

──感触はいかがですか?

そうですねぇ。今のグラウンドの技術は発達しているので、ちょっとしたミスをしただけでも後戻りできないような、本当に抜けるまでに凄い長い時間を要するような感覚なんですね。だから、そうなった時に慌てないで、「必ず脱出できる!」っていう感覚で試合をしないとダメですね。もし、そういう形になったとしても。

──桜庭戦に向けて具体的な作戦は?

殴れる時は殴るし、蹴りも使うし、もちろんグラウンドでも関節が取れたら取るし。まあ、全部使いますよ。そういう意味では、どうですかね? 「これで勝とう」っていうのは全然決めてないです。

──どうカラダが動くかっていう。

そうですね。それと相手のカラダがどういう状態かっていうので、使う技を選択していくしかないですね。「あれとこれを決めてやる」ってやっていると、空振りをした時に凄くダメージ……疲労が溜まるっていうか消耗してしまう傾向がありましたから。

──かつての船木選手は、どちらかというとイメージを作るタイプでしたよね。

そうですね。だいたい形を作ってやっていましたね。でも、それで決まったためしがないですから(笑)。フッと出した技がたまたま決まるっていうのが勝つ時のパターンでしたね。

──遂に残り1カ月を切りました。

はい。あと残り3週間強になりました。この3週間強は二度とない。今回復帰ということで、特別な感覚の3週間になるので、そういう意味では一日一日をしっかりと味わいながら本番当日を迎えたいと思います。■

『FieLDS K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!』実施概要

『FieLDS K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!』チケット購入

船木は今年9月より、菊田早苗、郷野聡寛、三崎和雄らトップファイターを擁するGRABAKAへの出稽古をスタート

8分5Rのスパーリングがスタート

グラウンドで下になると果敢にリバーサルを狙う船木

リバーサルに成功! マウントポジションをGETだ!

GRABAKAの総帥・菊田早苗が船木の練習を後ろから見守る

「カラダを動かしている時が一番好き」。心身ともに充実した様子だ

「やっぱりみんな強い」。GRABAKAのトップファイターたちとスパーリングを重ね、さらなる進化を遂げている船木。桜庭戦ではどんなファイトを見せてくれるのか!?

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